リハ職のキャリアアップ

理学療法士(PT)の退職理由~職場に伝える時と面接時の事例~

理学療法士退職理由

理学療法士(PT)の退職理由~職場に伝える時と面接時の事例~

本記事にはプロモーションが含まれています

“退職したいが、今の職場になんて言おうかな?”

“また、面接時に退職した理由はなんて話すのが正解?”

理学療法士に限らず、退職理由を伝えたいが、本音を伝えるのは、職場でも転職の面接時でもNGです。

うまく、そして問題なく伝える必要があります。

そこで今回は、

「今の職場を円満に辞める退職理由、また転職時の面接で退職した理由をなんて話せばいいのだろうか?転職・退職した理学療法士の事例が知りたいです」

という、退職を考えている理学療法士に向けて、事例を持って職場に伝える時・面接時に退職した理由を伝える時と2パターン解説していきます。

また、最後には退職届の書き方やフォーマットも解説していきます。

※求人探しから書類作成・面接など理学療法士の転職に関する全てをまとめた記事になりますのでこちらも併せてご覧ください。

>>【PT直伝】内定獲得のための理学療法士の転職完全ガイド

 

この記事を書いた私は…

理学療法士
愛甲太樹
理学療法士
愛甲太樹
2009年に理学療法士免許取得。これまで多くの理学療法士の先輩、後輩はもちろん、同窓生のキャリアアップや転職を見てきました。

理学療法士の退職理由~職場に伝える時と面接時の事例~

理学療法士が面接時に退職理由を伝える

理学療法士として退職理由を考える時に、2つ用意しなければなりません。

その理由としては、

  1. 円満に今の職場を退職するための退職理由
  2. 転職の面接で転職先を納得させるための退職理由

このような場面で、退職理由を求められるので、いざ退職する場合、2つの退職理由を準備しなければなりません。

もちろん、退職理由は1つで、今の職場も、転職先の面接でも納得させられるようなものであれば問題ありません。

ここからは、職場向けと、転職面接向けで分け、実際に退職理由として理学療法士に使われた事例を紹介していきます。

良い事例~職場向けの理学療法士の退職理由~

(整形外科クリニックで5年勤務していたPT)今後、リハビリテーションの視野を広く持ち、知見をさらに広げるために中枢系の疾患を診ることのできる病院に行きたい。

※ポイント※
退職しなければならない理由が明確。
また、自分が挑戦したいことが理由で、決して後ろ向きな理由でないことがポイント

家族(親、夫、妻、子いづれかでよい)の体調がすぐれず、しばらく近くで過ごしたい。パートタイマーも検討したが、サポートが必要なので、心苦しいが、退職という選択に至った。

※ポイント※
家族の体調不良等は、事実でなくてもよい。家族の事情や体調といったことは、他人が一番干渉しにくいところ。デリカシーに欠ける上長の場合、さらに詳しく聞いてくることもあるが、「様々あって、ストレスで体調不良」と言っておくと良い。

社会人として、リハビリテーション以外の分野で働いてみたい。
私は、パソコンが得意なのでIT系を考えている。

※ポイント※
次に分野は何でもいい。また、事実でなくてもよい。前向きな挑戦のためであり、退職しなければなしえないことなので、退職までスムーズにいきやすい。

良い事例~転職面接向けの理学療法士の退職理由~

これまで、急性期リハビリテーションに、主に従事してきたが退院後の患者の生活をなかなか見ることができず、自分のリハビリテーションの結果が見えづらかったことが退職の理由。
貴院では、急性期はもとより、外来クリニックでの診療もあり、これまでの経験を活かしつつ、患者の退院後も見ることができることが、魅力で志望いたしました。

※ポイント※
前職では、職場環境から経験できず、転職先であれば経験できるといった、前職のと差は、退職理由に加え、志望動機にもしやすい。
退職理由からの、志望動機が滑らかに進みやすい。

これまで、整形外科全般を見てきた中で、今回さらにスポーツ整形に特化した環境に身を移したく思い退職し、また貴院を志望した。

※ポイント※
前職には、不満があったにしてもそれを匂わせない。さらに転職後も経験を活かせる戦力になりうることもアピールできる。

これまで急性期でスピード感を持ったリハビリテーション従事してきたが、今後は1人1人と長く・深く関われるような環境に身を移して、急性期を脱した後の患者の生活に携わりたく思い退職した。

※ポイント※
介護分野などから、急性期を志望する際は、「これまでの経験を生かして、スピード感をもったリハビリテーションに携わりたいと考えたから」といったように、施設・病院ごとに患者・利用者との関わる時間の長さがが違うため、理由にしやすい。

職場に退職理由を伝えるときのポイント・注意点

退職願を出す理学療法士

大前提として、理学療法士として勤務している立場であるのであれば、“退職する権利”があります。

もっと言えば、退職理由を話さなければならない、といった義務はありません。

とはいっても、多くの場合退職理由は求められるでしょう。

多くの地学療法士は「できることなら円満に退職したい」というのが本音でしょう。

また、自分自身のためにも退職理由というのは、はっきりさせた方がよいです。

民法では期間の定めのない雇用契約については、解約の申し入れ後、2週間(但し、月給制の場合は、当該賃金計算期間の前半に申し入れて下さい。)で終了することとなっており、会社の同意がなければ退職できないというものではありません(民法第627条)。

なので、職場が納得する退職理由がなければ、退職できないということはないのです。

ただし、「なぜ退職したいのか?」「次はどういった場所で働きたいのか?」といったことを自分自身で再確認し、転職で生かすためにも自分なりの退職理由を準備しましょう。

現実的に、退職理由を聞かれずに退職できることはほぼない、というのが実情です。

本音の退職理由を話すと、なかなか円満に退職できないと思った場合、建前の(職場に話すとき用)退職理由は準備しておいて損はないでしょう。

円満に退職できない退職理由

  • 賃金
  • 休日
  • 人間関係

これらに関することが、本当の(本音の)退職理由であってもあまり口にしない方がよいかと思います。

これらを退職理由として、話しても改善されることはほぼないです。

また仮に改善するといっても、退職を口にした以上なかなか「それだったら残ります。」とは言いにくいはずです。

逆に円満退職しやすい転職理由は以下の通り。

円満退職しやすい退職理由

  • 配偶者等の転勤
  • 家族の介護
  • 今の職場と異なった分野への挑戦
  • 家業の継承
  • 結婚、出産等の環境の変化

これらを理由にすると、職場は受け入れざる得ません。

特に、家庭の事情になれば他人は口を出しにくいものです。

仮に、本音では給与や休日などの待遇が退職理由でも、上記で何かしら理由作りを行えば、多くの場合納得してもらえます。

結婚を理由に退職し、寿退社となっているにもかかわらず、実際その後も独身を貫いている人も実は多いものです。

本音と建前をうまく使い分けられることが、円満退職の秘訣でしょう。

自分が損をする!“やってはいけない退職”

勢い、一時の感情で退職を決意してしまうことです。

この理由としては、「円満に退職できない」といったことではなく、次の転職で苦労するからです。

円満に退職できる理由というのは、本音でなくても、いくらでも建前を作ることができます。

「なぜ自分が退職して、転職したいのか」というのは、はっきりさせておいた方が、転職活動で失敗する確率を大きく下げます。

転職は、思い付きや流れでうまくいくことは、まずありません。

勢いだけで退職したり、特に次の計画なく退職して“焦りの転職”を行って、失敗するのが関の山です。

詳細は、
転職で失敗する理学療法士の特徴【転職の正しい手順】
をご覧ください。

転職を成功させるためにも、不満による勢い退職や、一時の感情による突発的な退職は控えましょう。

往々にして自分が損をする場合が、多いです。

自分の中で納得できる「退職したほうがいいor退職しなければならない理由」を明確にしましょう。

転職面接時に退職理由を伝えるときのポイント・注意点

理学療法士の退職理由を聞く面接官

“きれいな建前の退職理由”のみを伝えるようにしましょう。

というのも、転職の面接の場というところで“きれいな建前の退職理由”を話してデメリットはありません。

一方、面接という場で“本心・本音”を話すメリットはなく、むしろデメリットが出てくる場合の方が多いからです。

ほぼ全員と言っていいほど、面接官というのは、応募者が本音・本心を話さないということは理解しています。(だからこそ採用の業務は難しい)

ある意味、本音や本心など期待していません。

であれば、転職活動を行う立場としても、聞き触りのいい“きれいな建前の退職理由”を話しておけば無難です。

面接時の“安全な退職理由”

理学療法士として転職する際の面接では、「前職の退職理由」というのは、ほぼ間違いなく聞かれます。

そこで、安全な返しとしては、

  • 前職では経験できない分野に挑戦したい
  • 1人、1人の患者、利用者と長く関わりたい
  • とある分野に特化(脳卒中や脊椎など)したエキスパートになりたくて

といった理由が転職面接時に“安全な退職理由”となります。

このような退職理由が安全な理由としては、何かマイナス要素があって退職したわけではなく、あくまで転職してやりたいことがあったから、退職して貴院に転職を希望しました、というニュアンスが含まれるからです。

以下のうち、採用される可能性が高くなるのはどちらでしょうか?

  1. 前職では、有給休暇がなかなか取れず、自分の時間をとることができなかったため退職
  2. 脳卒中についてさらに深くアプローチができる場を求めて退職

感覚的にも、後者の方が前向きな退職として捉えられるので採用の確率は、前者よりも上がるでしょう。

面接官も、基本的には病院・施設の従業員であることがほとんど。

なので、応募者に本音と建前があることは承知しています。

面接では、いかにマイナス要素を見せないかということが、まずは最優先。

特に、医療業界はプラス要素があるよりも、マイナス要素が少ない人の方が好まれる傾向があります。

なので、退職理由を尋ねられたら“安全な退職理由である”前向きな退職理由を話しましょう。

面接で言ってはいけない退職理由

どんなに前職場の環境が劣悪であっても、前職の不満を退職理由として話してはいけません。

簡単に前職の不満を話すことによって、「いずれ自分たちにも不満をぶつけてくる可能性もあるな」と思われかねないからです。

給与、休日、人間関係などがそれにあたります。

どんな退職理由がいいのかわからない場合、前職の環境に触れず、あくまで自分自身が転職してしたいことがあったという設定にすべきです。

また、ハローワークや転職サイトのアドバイザーに聞くのも非常に安全策としては有効です。

>>PT/OT/STの転職サイト評判・口コミ一覧【転職サイト7選】

>>全国のハローワーク

補足:退職願の書き方・フォーマット

退職願を書く理学療法士

前提として、手書きであることを理解しましょう。

医療業界は、履歴書であれなんであれ、手書きが好まれる傾向にあります。

不要な説教や文句を言われる時間をなくすためにも、手書きがいいでしょう。

▼準備するもの▼
用紙:サイズはB5かA4。白い便箋で、罫線入りを使う場合ビジネス用のシンプルなもの
封筒:白無地の封筒(郵便番号枠なし)。B5用紙に「長形4号」、A4用紙に「長形3号」
ペン:黒ボールペンか万年筆。油性・水性どちらも可

▼退職願の封筒の例▼
理学療法士の退職願封筒の例

▼退職願の例▼
理学療法士の退職願の例

基本的に、封筒と退職願の文章は、上記の例の通りで大丈夫ですので、そのまま書き写して日付や名前を入れて職場に提出しましょう。

また、退職願の場合は、どんな退職理由があろうと自己都合退職であれば、「一身上の都合により」と記載しましょう。

PT/OT/ST人気転職サイト

▼PTOTSTワーカー▼

▼PTOTキャリアナビ▼

▼マイナビコメディカル▼

▼リハのお仕事▼

▼MC介護のお仕事▼

▼ケアキャリ▼

RELATED POST